実相寺昭雄
亡くなってしまった。
思えば、実相寺昭雄というのは海産物で言えば
ウニとかホヤとかナマコみたいなタイプだったのではないかと
今更思ったりする。クサヤまではいかないか。
普通の人には「なんじゃこりゃ」だけれども
一度、その味を知ってしまうと抜けられないという意味で。
むーかし、ウルトラマン再評価ブームの頃だったろうか
初代ウルトラマンの映画が……多分、花園の松竹中劇あたりで
公開されたのだが(小樽出身者限定話)、
それが実相寺監督編の再編集もので、見に行ったとき
「なにもこんなマニアックな話ばかり集めなくても」と
密かに思ったものだ。そう思った人は多かったのだろうか
それからしばらくして、バトル中心を集めた映画も
公開された。うん、されたはずだ。
この頃の記憶はまだ死んでないはず。
まあ、ガキんちょの頃から実相寺好きっ子という
オタクエリートではなかったわけだが
それなりにアンテナ広げていろいろなものを見て
オタク経験値を積んでいくうちに、次第に染まっていった。
中には肩すかしも正直あったりしたけれど
一度、その味の神髄を知ってしまうと……というものだ。
そういえば、こないだ「魔法の国ザンス」の新刊を買ったとき、
名誉王トレント&アイリス夫妻とビンク&カメレオン夫妻が
ザンスの物語から退場する「フェアウェル・パーティー」
(宴席ではなく、RPGのそれみたいなもの。ザンス的ダジャレ)
をしていたのだが、今年の多すぎる訃報は
日本という物語からのフェアウェル・パーティーみたいなものなのだろうか。
みんな、ぱらいそさ、いってしまったのだろうか。
実は日本からのエグゾダスだったら切ない。
いずれにしても言えるのは
また世の中が少し、つまらなくなってしまったということか。
あえてここでは合掌も黙祷もせず
空虚感に漬かっていよう。
ちなみにうちにはちゃぶ台があったりするのだが
そこにメトロン星人の居場所はない。
おもちゃ含めて